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都市のディオラマ:Between Site & Space

もうすぐ終了!!(最終日:10月13日)

_mg_4553_320  エキソニモアレックス・ガヴロンスキ、パラモデル、ゲイル・プリースト、ティム・シルバー鈴木ヒラクの日豪6組のアーティストが参加するプロジェクトが進行中である。Art Yuran(本サイト)に創設時から関わる原久子も企画者の一人として参加。この夏、オーストラリアから3人のアーティストが約1ヶ月に渡り来日し、東京での滞在中に、制作した。日本、あるいは東京という都市生活のなかで、彼らが表現したものと、日本在住の5人(3組)が表現したものが展示されている。私たちが棲む場をまったく異なる側面からそれぞれが観た“都市のディオラマ”が会場に完成した。来年2〜3月には日本からアーティストがシドニーARTSPACEにて滞在制作し、展覧会を開催する。

パラモデル《パラモデリック・グラフィティ》2008
撮影:川村麻純

 私たちは物理的な距離の移動も非物質的な映像を含む情報の移動も機械文明によって獲得した。しかし、個別のものの「間」の出来事として、現象をとらえるのは少し違っていて、私たちはもっと複雑なレイヤーのなかを縦横無尽に、心身を往き来させているかもしれない。「間」にさまざまなものが詰まっていて、私たちにいろいろな体験をさせてくれる。そんなことを考えつつ、日本とオーストラリアのアーティストを選んでいくことになり、そんな期待にアーティストたちが応えて、全員が今回の展示のために新作を提供してくれた。

_mg_4805_320  エキソニモは時間と空間をテーマにした作品《DEF-RAG》を制作。分断された時間が、目の前に突如現れ、その状況をとらえた映像がいったんコンピュータに情報として入力され、制御され時計が正しい時系列を刻む映像がディスプレイ上に出力される。時間の概念を表すときに重要な要素である音もそこには取り込まれ、アナログ(リアル)とデジタル(ヴァーチャル)の間に引き起こる、まるでマジックのような往来に引き込まれる。
 アレックス・ガヴロンスキは、東京に初めて来て、街に溢れるイラストレーションや漫画風の絵柄に触発された。渋谷のスクランブルで観たそうした看板や映像のキャラクターの目の部分にフォーカスを当てて、作品づくりをした。
 また、パラモデルは玩具の鉄道模型レールを用いて、3次元空間のなかにグラフィティを描いていった。拡張してゆくレールは建物の外壁や、廊下などに侵食。また、2F部分にも世界が延びてゆくが、そこには下水道用に使用される塩化ビニール管が用いられ、まるで地上と地中の世界が逆転するような風景のようでもある。そのなかで5分おきに響く轟音は、サウンドアーティストのゲイル・プリーストがパリ、ベルリン、東京の鉄道の音を素材につくり出した作品だ。彼女は都内の28箇所で採取した音を使って作ったサウンド作品も展示した。
_mg_4634_320  ティム・シルバーは、日本のホラー映画等に興味をもち、彼が典型的と感じるシークエンスを彼なりにリメイクするように静止画で撮影し、3面のスライドショーとして構築し直して発表。人間の内面や、人々の関係性などに深く斬り込む映像作品を作り上げた。鈴木ヒラクは、ほぼ日課のように描くドゥローイング1000を展示。また、道路標示から触発された壁画と、反射盤を素材にしたオブジェを展示。
 まったく、それぞれに個性も視点も異なるところから一つのテーマにアプローチした結果、企画者の思惑以上の「都市のディオラマ」が完成した。会期終了間近の情報更新となったが、ぜひ多くの方に観てもらいたい!

上:exonemo《DEF-RAG》2008 ミクストメディア 

下:Tim Silver《Untitled (Shooting tadpoles at the moon)》
2008 ビデオ・インスタレーション
Featuring: Ryota Kawashima, Kouki Sawada, Taku Shirayanagi, Tim Silver and Taku Tadaide.
Thanks and acknowledgements: Hirotaka (make up), Yuuk for Angel Gaff (hair), Michiko (flower artist), Iwasa Hiroki, Shinji Chikasawa, Shunji Fujii, Yumi Ishihara, Takumi Ohki, Yukio Cho and Miyoko Hoshino.

Courtesy the artist and BREENSPACE, Sydney.

トーキョーワンダーサイト渋谷(公園通りPARCOまえ、渋谷区立勤労福祉会館1F奥)
2008年9月13日(土)〜10月13日(月)
11:00〜19:00(入館は閉館の30分前まで)
入場無料

words: 原久子

2008-10-11 at 04:27 午後 in 展覧会レポート | Permalink

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