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ライターの近日遊覧予定【9/28〜】
BIWAKOビエンナーレ
2007年9月30日(日)~11月18日(日)
展覧会やワークショップ、音楽イベント、パフォーマンスなど週末には多数の企画が開催される。ウ゛ォーリズの建物をはじめ、近江商人屋敷の一部公開などもあり、近江八幡の古い町並みと一緒に楽しむことができそう。秋の遠足気分で行ってみたい。(酒井)
松本 尚 展
アートスペース虹
2007年 9月25日(火)~9月30日(日)
松本尚の絵に登場するシーンは、ファンタジックなものが多いが、妙にリアルな場面が時折ある。しかも幻と現実の狭間のイメージをうまく表している彼女の絵がまた魅力に溢れていて、胸をきゅっと掴まれるような感覚に襲われる。たった6日間の会期というのがあまりにももったいない。一人でも多くの人に観てもらいたい。(原)
池崎拓也 展 こんな所に来てしまった
新宿眼科画廊
2007年9月29日(土)~10月12日(金)
ヘラクレイトスは、「万物は流転する」と言ったが、その言葉の背後には、この「私」がいなくても世界は持続するのではないか、ということに対する驚異があったのではないか。池崎の作品の条件になっているのも、ヘラクレイトスのこの驚きと同質のものであるという気がする。(沢山)
増田佳江 warp and woof
ギャラリー小柳
2007年9月18日(火)~10月19日(金)
モチーフと筆触が対等の関係に保たれる、増田佳江の平面作品。細部に入り込んでいくと海老も猫も存在していて、シミに見えた部分は実は建物だったという発見まである。遠くから見ると、単なる筆触や色の面と認識してしまうような沢山のイメージが、何重かの層になって、見る者を優しく包んでくれる。もう一度は見に行きたい。(水田)
田代裕基個展「HERMONY」
ギャラリーエス
2007年9月20日(木)~10月7日(日)
作家は動物の存在がアートに似ていると感じ、そのカタチを借りて
2007-09-28 at 01:12 午後 in 近日遊覧予定 | Permalink | コメント (0) | トラックバック (0)
プライベート・ディナー
ベルリンから、かないみきさんの9月のレポートです。
日も落ちて辺りはすっかり暗い。
電燈がオレンジ色に染めた歩道の上を急ぐ先、門をくぐり抜けると、左手に受付のような小屋が見える。薄汚れた窓ガラス越し、ろうそくの炎が揺れる向こう側
で、本を読みふける男性に声をかけ、行く手を確認する。古く、いささか不気味な佇まいの工場跡地へと足を踏み入れた。
数年前には、ここはベルリンでは有名なテクノ・クラブとして栄えていたが、クラブが閉鎖されてからは、隠れ家的な場所として、オフパーティーや短期間のアートの展示が行われていた。 そこで始まったのが、毎週火曜日の夜に開かれるこの「プライベート・ディナー」だ。
2007-09-27 at 10:36 午前 in ワールド・レポート | Permalink | コメント (0) | トラックバック (0)
鈴木理策:熊野、雪、桜
サント=ヴィクトワール山がセザンヌによって描かれたのは、彼の「構成主義時代」と呼ばれる時期以後のことである。そして、サント=ヴィクトワールの登場と時を同
じくして、セザンヌの画面には「構成主義的タッチ」と呼ばれる、画面全体を振動させるように降り注ぐ筆触の斑点が現れている。この時期、セザンヌは画の全体を同時進行で描き、この細かいタッチの集積によって画面を満たしていったのだった。
鈴木理策 〈海と山のあいだ〉2005年 東京都写真美術館蔵
©Suzuki Risaku
2007-09-21 at 04:57 午後 in 展覧会レポート | Permalink | コメント (0) | トラックバック (0)
ライターの近日遊覧予定【9/16〜】
大いなる時を超えて
MIHOミュージアム(滋賀)
2007年9月1日(土)~12月16日(日)
プレスプレビューでは駆け足のように会場を歩くことになり、改めて丸一日かけて訪問しなくてはと思った。古代の地図を旅するように、ギリシャやエジプト、西中央アジアなどさまざまな土地の文明的遺産を見ることができる南館と、日本美術を中心にした北館。選りすぐりのコレクションひとつひとつの美しさにただただ魅了される。(酒井)
ATTITUDE 2007
熊本市現代美術館
2007年
7月21日(土)〜10月14日(日)
荒木経惟、やなぎみわといった現代美術のメインストリームをいまや歩むアーティストたちといっしょに、物故者の埴谷雄高、土方巽といった面々の名もある。そして、山田新一の名前を見てちょっと驚いた。人が人として生きることについて、この展覧会を観ながら考えてみたい。(原)
メルティング・ポイント
東京オペラシティアートギャラリー
2007年7月21日(土)~10月14日(日)
ジム・ランビー、渋谷清道、エルネスト・ネトによる、空間を変容させるインスタレーションが展示中。「メルティング・ポイント=固体が融解し液化する温度」のように異質のものが同時に存在するイメージを有する3者の作品に期待。(斉藤)
中山雄一朗
トムはジェリーを殺せない
GALLERY OBJECTIVE CORRELATIVE
2007年9月21日(金)~10月8日(月)
近畿大学の東京サテライトキャンバスである四谷アート・ステュディウムによるコンペ「マエストロ・グワント」の本年度大賞受賞者による個展で、本展で2度目となる。いまだ可塑性を可能性として保持している粘土の塊が木材と結節し、その可塑性をとりあえずは留保しながら存在しているかのような彫刻。(沢山)
仙厓・センガイ・SENGAI-禅画にあそぶ-
出光美術館
2007年9月1(土)~10月28日(日)
見ているほうの身体の筋肉がゆるみそうなくらい、柔らかくて力の抜けた線と、おかしな動物たち人々の描写を、リニューアルしたての出光美術館でじっくり見たい(水田)
2007-09-16 at 04:33 午後 in 近日遊覧予定 | Permalink | コメント (0)
アメリカン・フォーク・アート美術館「The Great Cover-up: American Rugs on Beds, Tables, and Floors」
NYから塩崎浩子さんの9月のレポートです。
名も無き女性たちの美しい手仕事を見に行った。MoMAの左隣に建つ小さな美術館、アメリカン・フォーク・アート美術館の「The Great Cover-up: American Rugs on Beds, Tables, and Floors」は、18世紀末から20世紀半ばまでに作られたアメリカン・ラグの名品約65点を集めた大規模な展覧会だ。手作りのラグの展示と聞いて、お母さんやおばあちゃんの趣味の手芸の世界——素朴でどこか拙いような作品を想像していたのだけれど、その完成度の高さと現代的なグラフィック・デザインの美しさに思わず唸ってしまった。
《Appliqued Carpet》Artist unidentified Northeastern United States, possibly Maine c. 1860 Wool applique and embroidery on wool 112 x 158" Collection American Folk Art Museum, New York, promised gift of Ralph Esmerian Photo credit: John Bigelow Taylor, New York
2007-09-15 at 03:53 午後 in ワールド・レポート | Permalink | コメント (0) | トラックバック (0)
神林 優 展
JR両国駅から歩いて10分ほどの場所に、ART TRACE GALLERYはある。アーティストたちの自主運営により、ほぼ1ヶ月のあいだ、ひとりの作家の個展が継続されるという形式をもつそのスペースで現在、神林優の個展が開催されている。これまで神林は、ほぼモノクロ ームに統一された写真を制作してきた。長時間露光によって撮られたそれらは極めて厳格なミニマリズムの体裁をもったものであり、そうした作品の底辺に流れていたのは、いかにして時間を可視化、あるいは触知可能なものとするかという命題だったといえるだろう。
© Yu Kanbayashi
2007-09-13 at 03:07 午後 in 展覧会レポート | Permalink | コメント (2) | トラックバック (0)
よりアピールする笑いへ— 崔廣宇個展
台湾から、岩切みおさんのレポートです。
去年からオランダのライクス・アカデミー にレジデンス滞在している台湾のアーティスト崔廣宇(ツェ・グァンユー)が、この夏、台北の誠品画廊で久しぶりの個展を開いた。今回展示したのは、崔がここ5年ほど取り組んでいる《表層的生活圏》シリーズからの旧作と、昨年リバプール・バイエニアルのために委託制作した《見えない都市:リヴァプール・トップ9》、それからアムステルダムで制作したシリーズの最新作《見えない都市:アムステルダム88番地 III》《見えない都市:海面情報漏洩者》の、計5点だ。
1) Tsui Kuang-yu "Invisible City : Liverpool Top 9", Action Video, 2006
photo courtesy of the artist
2007-09-02 at 10:23 午前 in ワールド・レポート | Permalink | コメント (0) | トラックバック (0)