« 秋吉風人展 | メイン | マジカル・アート・ライフ展−あるコレクターの世界 »

内海聖史展

Uchiumi01_1「三千世界」より

選ぶのが楽しいといえば、同じ建物(コンプレックス)のなかで開かれている、こちらの展覧会もオススメだ。これまでは、緑や青といったチューブから出したままの色でドットを描き、重ねて構成していくものが多かったが、今回はパレットで混色したさまざまな色を使っている。5センチ四方のキャンバスをつくり、綿棒でドットを描いているのだ。計1012点。そういう大変さを感じさせず、開放的な空間をつくり出しているところがいいなあと思う。1点でも絵になっていて、全体が響き合っている。

Uchiumi02_1「三千世界」《色彩の下》

建物の空間と絵画空間と見る人の関係をいつも考えていて、これまでは空間のなかに斜めに巨大キャンバスを設置し観客は寝転がって見るのがベストだとか、床に置いて梯子から見下ろすとか、その都度模型をつくって実践してきた。そして内海の絵画を見る観客は、自然と離れたり近づいたり、絵画との距離を変えてやがて落ち着く。そういう動きを後ろから見ると、絵画が柔らかく反応しているような気がしてくる。


Uchiumi04_1「三千世界」《色彩の下》

前回のグループ展では、大きなキャンバスで黒地に赤などの色を使っていてそれも良かった。そのとき、2000年の『美術手帖』に展評を書く際の取材がいいきっかけになったんだと話していた。夕焼けの美しさのことを内海が語っていて、私が「光がきれいだから色がきれい」みたいなことを言い、うなずきながら本当にそうかなと考えていたのだという。
光がないと色が見えない、すなわち光あっての色ということは教科書的にはそうなんだけど、物質そのものに色があるんだと内海は考える。思わぬ役立ち方(反面教師、とは言わないか)でよかったねぇと笑った。作家によってどこに引っかかるかわからないから、まあそういうこともあるので、失言もよかれ、です。ははは。
光や闇といった環境的な要因に関わらず、描く中で呼応してくるものを彼が感じてつかんだことかもしれない。

Rimg0130

小さなキャンバスづくりは日々の儀式のように思われ、真摯な態度がうかがえる。
1点から購入できるので、1点を壁に余裕をもって架けたり、何点か並べたり、いろんな楽しみ方がある。

2006年9月8日(金)〜30日(土)
ヴァイスフェルト
港区六本木6-8-14コンプレックス北館3階
11:00-19:00 日月祝休
TEL.03-3475-0166

word:白坂ゆり

2006-09-29 at 04:40 午前 in 展覧会レポート | Permalink

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
https://www.typepad.com/services/trackback/6a0120a853c3af970b0120a853cbf4970b

Listed below are links to weblogs that reference 内海聖史展:

» review:内海聖史 個展「三千世界」《9/8》 from ex-chamber museum
内海聖史 個展「三千世界」 @ヴァイスフェルト 東京都港区六本木6-8-14コンプレックス北館3F 9/8(金)~9/30(土)日月祝休 11:00~19:00 始まる前からどんな感じになるのだろうといろいろと想像を巡らしていたこの展覧会。 内海聖史さんの作品に初めて触れたのが昨年のVOC..... [続きを読む]

トラックバック送信日 2006/10/04 3:06:29

コメント

TBありがとうございます。記事、色のことなど丁寧に書かれてあり、助かります。
内海さんも来年の資生堂のeggに出ますね。
移転前のギャラリーQの小さい方の部屋でやった初個展は、ほんとによかった。
その後何度となく見逃していますが(スミマセン。。。)
MOTアニュアルにも出たし、派手さはないけど、作品だけではなく、どんな会場でも空間や観客に対して誠実にやってきたから経験が蓄積されて来たという感じがします。
波、来てるんじゃないかな。

このインタビューもいいですね。
http://ex-chamber.seesaa.net/article/18154370.html

投稿情報: | 2006/10/04 12:56:19