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forget egret regret

「日本滞在の締めくくりに」


art176_03_1ダニオ・マン(Danio Man)
「間接的誘導(千畳敷)」(2003)
インスタレーション作品部分


■ 鍾乳洞のある風光明美な観光地としても知られる秋吉台に、国内外のアーティストたちが滞在して制作活動のできるレジデンス《秋吉台国際芸術村》がある。今回、作品を展示しているのは、2003年1月から日本に滞在制作した5人の作家たちだ。それぞれ北欧、南米、東南アジアと異なる地域の出身のアーティスト。

■香港出身でオランダ在住のダニオ・マンは、広い研修室に展示している。舞台のような平台を設置し、そのうえで作品が展開されてゆく。メッセージ(言葉)や映像が用意されていて、鑑賞者がそこにいかにかかわってゆくかがキーになる。関わり方によって作品と観る者の関係はまったく変化する。

■ヘギュ・ヤンは韓国出身。秋吉台の周辺にあるなんでもないが彼女が気になった風景を切り取って写真に撮り、壁に整然と並べた。ビデオ作品は窓に映し出されたものを、屋外から観るように展示。自宅にあった1枚の古い風景写真を使って制作されたものという。イメージがゆっくりと変化してゆき動画のように観える。

■チリ出身のエクトル・モロの「肌の下で」は、薄い弾力性のある布でつくったドレスを着た女性が踊るように身体を動かすと、それにともない布が引っ張られて襞ができる。肌はドレスと言ってもいいかもしれない。スウェーデン出身のカール・ホルムキュヴィストは地球温暖化などの環境問題に関する「京都議定書」に基づいて「K。議定書」という本をつくった。本には詩のようなテキストが掲載されている。

■カナダ出身で英国の美術大学に学んだミッコ・カニーニは、秋吉台で暮らした宿泊棟の自室を解放して展示を行なった。切り絵の手法を用いた絵をスライドプロクション、ホラー映画を思わすような血糊にまみれた人を撮った映像作品を上映している。

■会場となった建物(設計:磯崎新)はとても個性的な建物でギャラリースペースもあるが、5人の展示には使用していない。階段の踊り場や、廊下の一角など作家たちは思い思いの場所で発表している。日本滞在期間中の約2か月位いう短い期間でつくられた作品がほとんどだが、周辺の写真を用いて制作したり、場所にあったインスタレーションをするなど、それぞれが積極的にプログラムの特性を活かして展覧会をつくりあげていた。

 

秋吉台国際芸術村レジデンス事業
trans_2002~03公開活動プログラム
forget egret regret
2003年3月8日(土)~15日(土)
秋吉台国際芸術村
山口県美祢郡秋芳町秋吉50
11:00~18:00
会期中無休/入場無料
TEL.0837-63-0020

※出張トーク
「アーティスト・イン・レジデンスの現在と未来」
2003年3月16日(日)15:00~
現代美術製作所にて
(tel.03-5630-3216)
詳細はホームページを参照ください

「AIT Artists Talk #4」
2003年3月19日(水)19:00~
AITにて
詳細はホームページを参照ください

words:原久子

art176_03_2ダニオ・マン(Danio Man)
「間接的誘導(千畳敷)」(2003)
インスタレーション作品部分


art176_03_3ヘギュ・ヤン(Haegue Yang)
「一般化するのは非現実的」(2003)
作品部分


art176_03_4ヘギュ・ヤン(Haegue Yang)
「置き換えられた風景に隠れた歴史」(2003)
ビデオ


art176_03_5エクトル・モロ(Hector Moro)
「肌の下で」(2002-3)
ビデオ


art176_03_6カール・ホルムキヴィスト(Karl Holmqvist)
「K。議定書学習センター」(2003)


art176_03_7カール・ホルムキヴィスト(Karl Holmqvist)
「K。議定書学習センター」(2003)


art176_03_8ミッコ・カニーニ(Mikko Canini)
「一晩中」(2003)

2003-03-08 at 12:53 午後 in 展覧会レポート | Permalink

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