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田中栄子展
「ドキッとする風景」
「ボーリングレーン」(2002)キャンバスにアクリル絵具、130×162cm
■毎日見慣れた風景のなかに、それまで気づかなかった違和感のある光景をみつけたとき、きっと誰もがドキっとするだろう。田中栄子はそんなときすかさず写真に撮って記録している。そうした写真、あるいは印刷物などで気になったものをベースにしてペインティングをしてゆく。
■ボーリング場でレーンを見るときは、たいてい投球する側からピンが並ぶ方向を望み、縦方向のみの視線しか持たない。レーンを横に見る場所に通路のあるボーリング場に行ったとき、等間隔に並ぶレーンが、すごいインパクトで目に飛び込んできたのだという。
■この個展のタイトルでもある「underground」は地下駐車場の一部が気になって描いたものだ。部屋の外に見える建物や、自宅の中の風景も、見方によって全く違った印象を与える場合がある。気になった光景が「面」となって見える、というあたりが、田中はやはりアーティストなのだな、と感心してしまう。
■多くの人は、どうやって奥行きを出して、平面のキャンバスの中によりリアリティを生み出すかを描くときに悩む。しかし、田中は版画や切り絵を長くやってきたことでついた癖なのか、空間を描いてゆくというよりは、面となって見えたものをキャンバスの上に再現してゆく。
田中栄子展
「underground」
8月25日(日)~9月30日(月)
イナートギャラリー
大阪市中央区博労町4-6-14 ラポビル1F
11:00~20:00
TEL.06-6258-9082
words:原久子
「blind」(2002)キャンバスにアクリル絵具、130×162cm
「underground」(2002)キャンバスにアクリル絵具、130×162cm
サッカー場とお風呂の壁についたモニターとビルを描いたものを組み合わせて展示
スタンドとグラウンド、照明が空間を構成するというよりは、同列に並んでいる。
「ボーリングレーン」(2002)キャンバスにアクリル絵具、130×162cm
2002-08-25 at 02:37 午後 in 展覧会レポート | Permalink
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