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Art Scholarship 2001現代美術賞展

「狭き門?」


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鷹見明彦審査員部門優秀賞 中野西敏弘(1/14〜19)…蛍光塗料を塗った壁面にフィルムを映写し、光の残像と消滅を体験させる。


■審査員逆指名による公募展。作家は、10名の審査員(鷹見明彦、本江邦夫、笠原美智子、塩田純一、天野太郎、椹木野衣、清水敏男、長谷川祐子、南條史生、岡部あおみ氏)のなかから、見てもらいたい評論家やキュレーターを選んで応募できるという方式。複数名の応募も可能だが、出品料は1審査員18000円、以降1人追加するごとに1万円ずつかかる。実際、2人の審査員から受賞した作家が出た。優秀賞1名は100万円と個展、入選は10名までで賞金はなく、もうひとつの部屋に一緒に展示される。

■仕掛け人のギャラリーオーナー森邦彦氏は、「公募展は、既存の情報や審査員の話し合いで単一な評価になりがち。若手作家と批評家をつなげ、多様な評価軸を表明してもらい、シーンの活性化につながれば」と話す。785名の応募で一番人気は長谷川氏。以下、鷹見氏、天野太郎氏と続く。しかし、笠原氏への応募は少ないが、「写真」「ジェンダー」と傾向が明確だからともいえる。数にかかわらず、審査員の緊張感が察せられる。

■現物作品を並べる場所がないため、今回はファイル審査となった。ポートフォリオにビデオやCD-ROMを添付した応募が目立ったそうだ。映像に比べ、絵画の判断は難しい。けれど考えてみれば、海外派遣などの審査の多くがファイルであるのも実状だ。

■それ故、既知の作家と初見の作家の審査に戸惑いも出たよう。審査員が既に自分の展覧会で取り上げた作家もおり、当然かとも思うが、ある種棲み分けを感じた。作家側からいえば、挑戦的ではない感じも残る。しかし常に評価されるとは限らないし、初見に多くを賭けた審査員もいる。

■応募の問い合わせには、ギャラリー空間も批評家も知らないような、目的の不明確な者もいたそう。展覧会や雑誌を見ていればわかることだし、誰にどう伝えたいか客観的に考えれば、プレゼンやポートフォリオへの意識も変わるはず。ノウハウではなく。

■展覧会は1週間交替なので、一気に差違を比較できないが、今後の変化は大きいかもしれない。それにしても、応募総数の1割強も選出される公募が、他ジャンルにあるだろうか? 多くの作家にチャンスを広げることが健康なのか、最近悩んでいる。

Art Scholarship 2001現代美術賞
2002年1月14日(月)〜3月23日(土)
(月〜土曜の1週間ごと展示替え)
exhibit LIVE
東京都中央区銀座8-10-7東成ビルBF
(地下鉄新橋駅銀座方面へ徒歩5分)
12:00〜19:30(祝・土曜・最終日〜17:00)日休
TEL.03-5537-0023

※次週以降優秀賞者、天野太郎部門(2/11〜16笹口数)、椹木野衣(2/18〜23寒川洋子)、清水敏男(2/25〜3/2清水淳)、長谷川祐子(3/4〜9小粥丈晴/雄川愛)、南條史生(3/11〜16小粥丈晴/雄川愛)、岡部あおみ(3/18〜23北浦信一郎)

words:白坂ゆり

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静止した残像が、記憶とあいまって動いているように見える。

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本江邦夫審査員部門優秀賞なし。入選 左:田中ちえこ、右:曽谷朝絵(1/21〜26)

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笠原美智子審査員部門優秀賞 井上廣子(1/28〜2/2)…精神病院から外を眺めた窓が映し出されている。

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塩田純一審査員部門優秀賞 川口彩(2/4〜9)…手の中に川。OHPシートをクリアケースに。

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清水敏男審査員部門で優秀賞を受賞した清水淳。(展示写真は塩田純一部門)

2002-01-14 at 03:30 午後 in 展覧会レポート | Permalink

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