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アートイング東京2001展

「学校のざわめき」 


art140_01_1小学校外観
Are You Meaning Companyのプロジェクト作品でテニスもできる


■大正15年に建てられ、'98年に廃校となった小学校を使って、展覧会が行われている。セゾンアートプログラムが毎年開催している若手作家展「アートイング」。今年は22作家が、教室や廊下や校庭などを使い、フルに力を発揮した。地階から3階までと広く、天井も高い。階段の手すりや太い柱には当時の面影をしのばせる。展覧会を最後に取り壊しだ。アートセンターにできたらいいのに。

■テーマは「生きられた空間・時間・身体」。絵画・インスタレーション・写真・映像・プロジェクトものとさまざまなアプローチが見られる。かたづけからはじまり、備品を利用した作品も多い。岡田一郎は、学校の歴史を調べることから空間に近づき、地下のボイラー室から荷物をどかして、大正期の壁が残る薄暗い空間に光を照らし、地上へとつなげた。中尾寛は、プールの板をはがしてインスタレーション。部屋から外へのパースペクティブ。

■ステンレスに映ったものを上から写し取り、給食室が未来都市の地図を広げるようだった中川絵梨。拾ったスライドから人物を白抜きして描いたり、黒板をはがしてその下に隠された黒板を引き出したりした居城純子。

■静かな闇の記憶を想起させる備品で空間をつくり、オカルティックな映像を見せた小瀬村真美。かと思えば、今泉康子はインテリア(装飾)と絵画のバランスに立つ空間に塗り替えている。田中功起は、バスケットボールのドリブルの運動や時間を、映像と現実空間の入れ子状態で見せるなど計算された空間と、パーティーの後のような甘酸っぱい部屋の2室を。都市開発など日本社会のゆがみを木版画で表現している風間サチコは、いつものスタンスで、ノスタルジーではない廃校の背景を提示している。距離のとりかたはそれぞれで、こうでなければということはない。

■学校そのものが大きな身体のような、巨大な生き物のような感覚。古厩久子の手の映像作品や鈴木理策の写真を机に並べた部屋では、椅子の小ささにも驚いた。小学校という空間は、小さな存在であった私たちにとって、「中」であり「外」であるほとんど最初の場所であった。さまざまな時空のトンネルを抜け、遠くへ行く自分が見えた。

アートイング東京2001
生きられた空間・時間・身体

2001年9月15日(土)~10月5日(金)
旧新宿区立牛込原町小学校
(都営大江戸線牛込柳町駅西口より左へ出てすぐ)
11:00~19:00(最終入場は~18:30)無休
料金500円
TEL.03-5464-0196(セゾンアートプログラム)
090-6501-3896(旧新宿区立牛込原町小学校。会期中のみ)

※対談、パフォーマンスあり。詳細はセゾンアートプログラムのホームページにてご覧ください。


words : 白坂ゆり

art140_01_2校庭・プール。中尾寛

art140_01_33F教室。教室のドアもキャンバスに。山内崇嗣

art140_01_43F教室。今泉康子

art140_01_51F体育館倉庫。小林晴夫。
跳び箱やマット、上の棚には用具が並ぶ雪景色。ここでパフォーマンスも。


art140_01_61F給食室。中川絵梨

art140_01_7
B1ボイラー室。岡田一郎

2001-09-15 at 11:32 午後 in 展覧会レポート | Permalink

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コメント

引用&TBさせていただきました。
懐かしい風景の数々に涙が出ました。^^;

投稿情報: 課長007 | 2008/07/06 22:48:49