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デミアン・ハーストの「遊べる」作品集

art16_01デミアン・ハースト作品集「I WANT TO SPEND THE REST OF MY LIFE EVERYWHERE,WITH EVERYONE,ONE TO ONE,ALWAYS,FOREVER,NOW.」(ISBN 1-873968-44-2)

■サメや牛の母子(もちろん本物)をまっぷたつに切ったホルマリン漬けが作品だと初めて知ったとき、ちょっと驚いた。イギリス出身のデミアン・ハースト(1965~)は、こういったセンセーショナルな注目を集め続けるアーティストだ。イギリスの若いアーティストたちは、彼を含めてyBa(ヤング・ブリティッシュ・アーティスト)と呼ばれ、90年代に入り、あちこちの展覧会に顔を出している。

■先頃刊行され、日本の洋書店でもちらほら見かけたデミアン・ハーストの作品集もデカくて重かったが、その中身は彼らしく、ページをめくるのが楽しくなってくるような遊び心が随所に見られる。「日本じゃなかなかこんなのつくれねーよな」と出版の仕事に関わるワタクシはついつい弱気&羨望の眼差し。

■もちろん本づくりはアーティスト一人でできるワケがなく、編集・デザインの行程が絶対に必要。同じくイギリス在住のデザイナーで、この本の編集・デザインも手がけたのがジョナサン・バーンブロック氏。彼の来日トークに、そういうわけでいそいそといって参りました。

■そもそもなんで来日したかというと、東京タイポディレクターズクラブ(TDC)というのがあって、それの金賞を例の作品集が受賞したから。まあTDCはどーでもいいのだが、彼を呼んだのはエライ。トークショーも、タナカノリユキとの対談とかいってたので気が進まなかったが、ふたをあけてみると、結局ジョナサンの作品スライド&説明で時間切れ。ラッキー。

■ジョナサンの言葉で印象に残っているのが、「アーティストは、いかに相手にわかるようにコンセプトを伝えるかが重要」ということ。作品集以外にも、たとえば展覧会での作品設置の場合にも同じことがいえるだろう。なかなかこれがムズカシイのだが、ただなんとなくつくったり見せたりするもや、うまく意志疎通がなされていない作品集や展覧会には、やはり説得力がない。その点デミアンとジョナサンのこのコラボレーション、やはり一見の価値あり、なのだ。


art16_02a
art16_02b水槽のサメが消えたりする

art16_03蝶が飛び出るしかけも

art16_04ジョナサン・バーンブロック氏

1999-12-13 at 08:20 午後 in 展覧会レポート | Permalink

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