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東宏樹展

揺らぐ生命のあり方を問う作品 


art35_01『陳列--海から来た記憶』は流木のうえに天草をかためてつくった懐かしいかたちの靴と帽子がある。真ん中はプラスティックのガラクタのつまった頭をもつ人形


■私たちをとりまく環境が変化するにつれ、生態系も大きな変化を強いられている。そして、生命科学の分野の進歩も私たちの日常に忍び寄り、倫理等を揺るがしている。

■東宏樹は干した天草(寒天のもとになる海草)をメディウムを用いて固めて造形作品をつくる。繊維が重なって面をなす。そして、プラスティックやビニール等の化学合成素材からなるレディメイドのオモチャや人形を組み合わせていく。

■蝋細工のパフェのまわりを熱帯魚が泳ぎ、廃棄物のタンクにボロボロになった縫いぐるみがくっついている。プカプカ浮かぶガチャガチャ(百円玉を入れるとおもちゃがでてくる駄菓子屋の店先にあるやつ。最近はないのかなぁ?)のボールが無邪気さを演出する。

■首もなく、腕も1本で、腰からしたが尾っぽのようになった、中が空っぽの作品「MAYU」は床の上で、胸に花を咲かせながら、悲しく横たわっている。どれもとても批評的な作品だ。

■小さな透明アクリルの箱のなかに黒いデメ金を泳がせ、一方の箱にキューピーの頭部だけが並んでいる。可愛さと恐ろしさのバランスの妙が、私たちにこれからの生命について問いかける。

東宏樹展
会期:1998年9月14日~26日
会場:信濃橋画廊5
(大阪市西区、電話06ー532ー4395)


art35_02


『陳列--海から来た記憶』(部分)

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『ネオン テトラ ハイキブツ パフェ』水槽のなかには本物の熱帯魚(ネオンテトラ)に蝋細工のパフェ

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表面の毛がなくなりボロボロになったぬいぐるみは目と鼻が飛び出していた

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『ノチノイノチノユクエ』(部分)紅白のストライプの筒に入ったものは心臓のかたちをしていたが、その一部である人形の目から手がはえていた

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『MAYU』天草を素材につくられたミノムシのような頭を持たない身体の抜け殻(?)

1998-09-14 at 03:55 午後 in 展覧会レポート | Permalink

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