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アートの遊園地 '98

子どもも大人も体験型作品でアートを楽しく


art33_06安部達也「コミュニケーション・ゲーム・マシーン」に子どもが一生懸命はなしかけていました


■一人で取材に来てしまい大失敗。日曜日の天保山ハーバービレッジ周辺は家族連れやカップルでにぎわっている。その一角にある天保山現代館も、当然そのたぐいのお客さんでいっぱいだ。

■入口の頭上では廣岡千恵の「スーパーオマルプレーヤー」が入場者を出迎えてくれる。ブランコやすべり台、ピンポン台もどきの作品など、アートというより、見に来た人はちょっと風変わりな遊具として体験しているのかもしれない。スポンジのなかで音をきいたり、スポンジをほじくってむしり取って前進する迷路のような作品のなかでは、足だけをブロックの外に出して寝ている人などもみかけた。どうやら子どもより大人が解放感を満喫する場となっているようだ。

■「宇宙戦艦タチバナ」(橘宣行)は全長6.1mもある鉄製の戦艦に足をつけたような作品だ。一人で乗って、運転席のレバーを引っぱったり、足で押し付けたりしながら遊べる。コンピュータゲームで戦争をリアルに体験できるような時代だが、これは戦争の実射体験をVR(ヴァーチャル・リアル)でするとかそんなものとは無縁だが、もっとドキドキするものらしい。男の子たちにとっては懐かしさを感じる乗り物のようだ。しばらく、何人かの人が乗っているのをみていると、レバーを動かして前方の発射台のようなものが回転しただけで「おーっ」とか笑みを浮かべて喜んでいる。作家はよりリアルに作ることではなく、忘れかけている感覚をいかに思い出させるかを考えたのかもしれない。あるいは、自分自身にとって欲しいものをつくったのだろう。

■いまどきの遊園地にあるような体感マシーンのようなハイテクなものはどこにもなかった。訪れていた人たちのリラックスした表情や、思いきり楽しんでいる姿が、眉の間に深いシワをつくって考えるアートとの出会いとは異なり、身体で受け入れられているようだった。(皆さんがお出かけになるときは、どなたか誘って行ってください)。

アートの遊園地 '98
会場:天保山現代館(大阪市港区)電話06-572-0036
会期:1998年7月4日~11月29日


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橘宣行「Yellow Slider」黄色いすべり台に前には大きなガラスになっているので、いきおい余ってガラスをぶち破るというようなことになれば、これは楽しいというより怖い作品

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橘宣行「宇宙戦艦タチバナ」すっかり子どもにもどってしまった男性の表情が写っていなくて残念

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有馬隆弘「二人で乗る竹馬」なかなかうまく乗れない様子

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ヨシタケシンスケ「BREATH」呼吸していることを自慢するためのものだそうです

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広岡千恵「ショッピングカート」これをもってスーパーに行ったら入れてもらえないかもしれません

1998-07-04 at 03:48 午後 in 展覧会レポート | Permalink

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