ワールド・レポート

Bureau「Solid-State」

ありふれた、不変の、固いもの

Hubbard-announcement07-still5.j NYか ら塩崎浩子さんのレポートです。

ニュー・ミュージアムの近く、ギャラリーが増え続けているロウアー・イースト・サイド地区。大手ギャラリーで経験を積んだ若いギャラリストが独立し(女性も多い)、小さいながらも自分のスペースを構えている。チェルシーにはない初々しさや、気合いや、ダウンタウンらしいラフな感じが面白い。最近はさらにその地域が南へ広がり、“ロウアー”・ロウアー・イースト・サイドに新しいスペースが増えている。今回はその一つ、チャイナタウンの東端に位置するBureauを紹介したい。 

Alex Hubbard《Announcement》2007 Digital video 2:11 min. Courtesy the artist and Maccarone, New York

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2010-06-24 at 01:20 午前 in ワールド・レポート | Permalink | コメント (0) | トラックバック(0)

MoMA「Marina Abramovic´: The Artist Is Present」

アブラモヴィッチはここにいる

Abramovic1 NYから塩崎浩子さんのレポートです

自らの肉体を使って表現するボディ・アート、パフォーマンス・アートの先駆者として60年代末から活動しているマリナ・アブラモヴィッチ1946年旧ユーゴスラビア生まれ)の大規模な回顧展「The Artist Is Present」がニューヨーク近代美術館で開かれている。

Installation view of Marina Abramovic´’s performance The Artist Is Present at The Museum of Modern Art, 2010. Photo by Scott Rudd. © 2010 Marina Abramovic´. Courtesy the artist and Sean Kelly Gallery/Artists Rights Society (ARS), New York

彼女のパフォーマンスは時に長時間にわたり、自虐的ともいえる行為によってなまなましい痛みや苦しみ、それを昇華した時の快楽などを観客にダイレクトに伝え感じさせる。それだけにその作品は挑戦といってもいいほどの忍耐力や体力を必要とする。今回の展覧会で発表した新作は、アブラモヴィッチがその肉体と精神を賭けて「そこにい続ける」作品である。314日から531日までの展覧会期中、1日も休まず開館から閉館まで計700時間以上、テーブルをはさんで不特定多数の観客と二人きりで座ったまま向かい合う。これまでの彼女の作品で最も長時間のパフォーマンスである。 

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2010-05-09 at 04:42 午後 in ワールド・レポート | Permalink | コメント (3) | トラックバック(0)

The Drawing Center「Iannis Xenakis: Composer, Architect, Visionary」

イアニス・クセナキス展——ドローイングとしての音楽

IX 17NYから塩崎浩子さんのレポートです。

音楽を作曲することと建物を建てることは、似ているのだろうか?さまざまなパーツを組み合わせ、ひとつの大きな構造を作り出す。建築家を経て、現代音楽の作曲家として世界的に活躍したイアニス・クセナキス(Iannis Xenakis、1922–2001)の展覧会が、ソーホーのドローイング・センターで開催されている。彼のビジュアルワークを紹介する北米で初めての展覧会で、1953年から1984年に作られた、およそ100点のスケッチ、直筆の楽譜、建築プランのドローイング、レンダリング図面などが展示されている。

Study for Terretektorh (distribution of musicians), December 20, 1965
Ink on paper 9 x 9 inches Iannis Xenakis Archives, Bibliothèque nationale de France, Paris

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2010-03-28 at 03:40 午後 in ワールド・レポート | Permalink | コメント (2) | トラックバック(0)

スカルプチャーセンター「Leopards in the Temple」展

彫刻かと思ったら

Paramagnetism NYから塩崎浩子さんのレポートです。

MoMA のガブリエル・オロツコの回顧展を見てがっかりしたのは、作品そのものに対してではなく、展示場所との関係だった。ヨーグルトのふたを壁に貼付けたあの有名な作品は、そこにだだっ広い空間があるからこそ生きるのであって、人がひっきりなしにすれ違う通路のような場所では神通力がなくなってしまう。空間の代わりに台座や狭い壁面を与えられ、作品は物体と化していた。そんなことを思い出したのは、クイーンズのP.S.1近くにあるスカルプチャーセンターで開催中の「Leopards in the Temple」の展示が空間と実にうまく調和していたからだ。

João Maria Gusmão and Pedro Paiva “Paramagnetism”, 2004
16mm film, color, no sound, 1’43”.
Courtesy: Galeria Graçabrandão, Lisboa

スカルプチャーセンターはアーティストによって1928年に設立された非営利のアートスペース。2001年、トロリー修理工場だった建物を買い取ってマンハッタンから移転し、アーティスト/デザイナーのMaya Linが建物のデザインを担当した。レンガの壁でできた巨大な建物は工場の雰囲気がそのまま残る。1階は高い天井を生かした仕切りのない空間、地下の展示室は少しかび臭くて薄暗く、狭い通路を歩いているとアートスペースとは思えない不気味ささえ覚える。

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2010-02-06 at 08:53 午後 in ワールド・レポート | Permalink | コメント (2) | トラックバック(0)

スチュア−ト・シェアマン「Nothing Up My Sleeve」展

奇術的な存在

Stuarteleventh1_2 NYから塩崎浩子さんのレポートです。

「マジシャン」と聞けば、おなじみのあのポール・モーリアの曲にのって登場するマジシャンの姿が思い浮かぶ。ハトやウサギが飛び出す黒いシルクハットをかぶり、シャツのポケットには鮮やかな色のスカーフが入っている。そでの中やジャケットのどこかに何かを隠しているに違いないのに、それを悟らせないポーカーフェイスや巧みな手さばき、そして目の前で繰り広げられる不思議なトリックに簡単にだまされてしまう。

《Stuart Sherman's Eleventh Spectacle (The Erotic)》
Photo Copyright ©1978 Babette Mangolte All Rights of Reproduction Reserved

スチュア−ト・シェアマン(Stuart Sherman、1945-2001)にそんなマジシャンの雰囲気を感じた。マンハッタンのロウアー・イースト・サイドにある非営利のオルタナティヴ・アートスペースPARTICIPANT INCで開催された「Stuart Sherman: Nothing Up My Sleeve」は、彼の奇術めいたパフォーマンスを映像で紹介した展覧会である。

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2010-01-05 at 12:03 午後 in ワールド・レポート | Permalink | コメント (0) | トラックバック(0)

マイケル・ウィリアムズ「Uncle Big」展

どこか大阪風

NYから塩崎浩子さんのレポートです。

Crab 展覧会案内のハガキに印刷された、個展のタイトルでもある「Uncle Big」という作品は、キャンバスらしき平面を突き破ってこちら側に刺さる大きな絵筆が一本、画面いっぱいに描かれている。この筆が「ビッグおじさん」? 1978年生まれの若手ぺインター、マイケル・ウィリアムズ(Michael Williams)のカナダ(ギャラリー名)での2度目の個展「Uncle Big」では、奇天烈な、擬人化された世界が繰り広げられている。

Michael Williams《Surf 'n Turf》2009  Oil on canvas  40 x 60 in  Courtesy of CANADA

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2009-11-22 at 05:09 午後 in ワールド・レポート | Permalink | コメント (1) | トラックバック(0)

クーパー・ユニオン大学ギャラリ−「Free as Air and Water」

美しい空気や水があまねく与えられるために

NYから塩崎浩子さんのレポートです。

01_under社会的なメッセージを伝えるのに、アートが必ずしも最良の方法ではないように思われることがある。しかし、この展覧会はそんな気持ちを覆してくれるものだった。クーパー・ユニオン大学内のギャラリーで開催中の「Free as Air and Water」は、奨学金制度により学生に無償で教育を提供しているこの大学の開学精神に端を発した、社会的なメッセージの込められた展覧会である。

Allora & CalzadillaUnder Discussion2005; Single Channel Video with Sound, 6:14 Courtesy Gladstone Gallery Photo: Allora & Calzadilla

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2009-10-25 at 07:05 午後 in ワールド・レポート | Permalink | コメント (1) | トラックバック(0)

ニューヨーク市立大学(CUNY)大学院センター「Silent Pictures」

NYから塩崎浩子さんのレポートです。

吹き出しのないマンガ

Holzman もしもマンガに「せりふ」がなかったら? ニューヨーク市立大学(CUNY)大学院センター付属のジェームス・ギャラリーで始まった「Silent Pictures」は、そんな言葉のない、あるいは抽象的なマンガを集めた一風変わった展覧会である。

Woodcut image from David N. Holzman's In the Gulf, 1989

展示は3つのパートからなる。最初のパートはピューリツァー賞を受賞したアーティスト、作家のArt Spiegelman氏のコレクションから、David N. HolzmanやFrans Masereelなどの、主に1930年代に作られた「言葉のないマンガ」の原画や原本が展示されている。木版、黒白2色刷りによる太く荒々しい描線が、哀しみや怒り、喜びや驚きといった人間の根源的な感情を強く率直に伝えている。

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2009-09-20 at 06:01 午後 in ワールド・レポート | Permalink | コメント (1) | トラックバック(0)

ボロス・コレクション −Boros Collection

ベルリンから、かないみきさんのレポートです。

Boros_3_4“I COLLECT ART THAT I DON’T UNDERSTAND” CHRISITIAN BOROS

ミッテ地区、ラインハルト通りに佇む巨大な亡霊、ナチス時代の防空要塞に、昨年オープンしたのはボロス・コレクション。土日のみ、10人程のグループに分かれ、ドイツ語または英語によるガイドツアー形式で公開されている。いまだにおよそ3ヶ月先まで予約でいっぱいだが、キャンセルが出る場合もある。メールを送れば運良く飛入り参加できるなんてこともあるだろう。是非ともお薦めしたいベルリンの新しい現代アート・スポットだ。

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2009-07-18 at 08:20 午後 in ワールド・レポート | Permalink | コメント (0) | トラックバック(0)

ローレル・ナカダテ「Fever Dreams at the Crystal Motel」

欲望の視線

Laurelhenry NYから、塩崎浩子さんのレポートです。

今年1月のサンダンス・フィルム・フェスティバル、そして3月のMoMAとリンカーン・センターでのNew Directors/New Films 2009において初の長編監督作品 「Stay the Same Never Change」が上映された、ローレル・ナカダテ(Laurel Nakadate)の最新ショートビデオ作品と写真の展覧会が、チェルシーのLeslie Tonkonow Artworks + Projectsで開催されている。

Laurel Nakadate《Fever Dream with Rabbit 2》2009
Type C-print 30 x 45 inches Edition of 10
© Laurel Nakadate   Courtesy of Leslie Tonkonow Artworks + Projects

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2009-07-04 at 02:25 午前 in ワールド・レポート | Permalink | コメント (0) | トラックバック(0)