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台湾ビデオアートの次世代

台湾から、岩切みおさんのレポートです。

1_yahui_visitor

 国立台北芸術大学のアート&テクノロジー研究所は、2001年の設立以来、毎年のように傑出したアーティストを出していることで知られる。2002年の台北ビエンナーレに参加した王雅慧(ワン・ヤーホェ)は、地元学生として初めてこういった大型国際展に参加したことが話題となり、台湾のアーティストの年少化に先鞭を付けた。郭奕臣(グォ・イーチェン)は、2004年の台北ビエンナーレに参加後、翌年のベネツィア・ビエンナーレ台湾館、2006年のシンガポール・ビエンナーレと、階段を駆け上るように国際的活躍を見せてきた。また、以前このレポートで紹介した、今年のドクメンタに参加の曾御欽(ゼン・ユーチン)も、ここの出身だ。この3人がこの夏から秋にかけて、個展を開催した。それぞれ新しい展開を見せており、とても興味深く感じたので、少々長くなるがここに紹介したい。

1)Wang Ya-hui, Visitor, single channel video, cooperation by Lee Jihong & Cho Wen-chin, 2007, photo courtesy of the artist

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2007-10-29 at 11:20 午後 in ワールド・レポート | Permalink | コメント (0) | トラックバック (0)

ライターの近日遊覧予定【10/27~】

浅田政志写真展 浅田家2007
2007年10月23日(火)~11月11日(日)
GUILD GALLERY
あるときは消防団、ある時はテレビ局の取材班、自らの家族とともにさまざまなシュチュエーションを演じる写真を発表している浅田政志の新作展。セルフタイマーで撮られた写真には、遠隔地で暮らす家族とのコミュニケーションの時間が凝縮している。(酒井)

河口龍夫 ー見えないものと見えるものー
2007年10月27日(土)~12月16日(日)
兵庫県立美術館
地元神戸出身のアーティスト河口龍夫は1960年代より、40年以上にわたり創作活動を続けてきた。その全貌を見せる展覧会がはじまる。エネルギー、熱、時間など私たちが日常目で見ることのできないものを、私たちのまえに提示してくれる。名古屋市美術館でも距離を隔てて、11月3日から河口龍夫展が開かれる。2つの美術館での展示の関係も一つの見どころとなるはずだ。(原)

光彩時空'07
2007年10月30日(火)~11月4日(日)
国立西洋美術館前庭
照明デザイナー・石井幹子による、美術館の庭を美しい光で彩るライトアップイベント。美術館外壁に、モネ、ルノワール、シニャック絵画の光をコンセプトにした作品が最新照明機材によって投影される(内容は30分毎にチェンジ)。昨年は東京国立博物館で開催され邦楽ライブを行うなど大盛況だったが、今年は管楽アンサンブルライブを実施。視覚も聴覚も満足できる楽しみな催しだ。(斉藤)

シュテファン・バルケンホール
2007年10月27日(土)- 11月17日(土) TOMIO KOYAMA GALLERY
最近読んだジェフ・ウォールが書いたバルケンホール論で、ウォールはバルケンホールの立像はまず服を着ている、と同時にいかなる階級性も示唆していないと言っていた。これは重要な指摘だと思う。そして、その人物たちは、まるで病み上がりの病人のように日常的な世界に積極的に参加するすべを喪失したかのような漂泊性を持ち、であるがゆえにその彫刻はノマド的で、ロマンティックな象徴性と結合している、と。新作約16点。(沢山)

2007-10-27 at 01:00 午前 in 近日遊覧予定 | Permalink | コメント (0) | トラックバック (0)

伊藤誠 彼方

P1000342_2 よく知られるように、1846年のボードレールに端を発する「彫刻の退屈さ」への指摘は、近代芸術の絵画優位の歴史に先鞭をつけるものとして語られてきた。ボードレールは、彫刻に対する絵画の優位を説く上で、彫刻というジャンルは三次元の物体から成り、複数の面を持つ−−つまり多くの視点から眺められるがゆえに徹底的に受苦的な存在であると書いたのだが、彼が言うように、彫刻は創作者の意図通りに見られることが不可能なジャンルである。

左)嫦蛾II
右)lung

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2007-10-20 at 05:11 午後 in 展覧会レポート | Permalink | コメント (0) | トラックバック (0)

EARTH CONTAINER EXHIBITION 谷川夏樹展

250_02_1_2つなげる、つながる、コンテナくんの旅

顔の描かれたコンテナが谷川夏樹さんのモチーフ。あちらこちらへ移動するコンテナを生命体とみなし、行くさきざきでの光景を描いている。いうなれば、旅するコンテナくんのスナップ画という感じ。さわやかなタッチで描かれた油彩作品は、イラストのような親しみやすさも手伝って、コンテナ物語へと誘う。


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2007-10-19 at 01:22 午後 in 展覧会レポート | Permalink | コメント (0) | トラックバック (0)

ライターの近日遊覧予定【10/12~】

狩野永徳展
2007年10月16日(火)~11月18日(日)
京都国立博物館
織田信長、豊臣秀吉に仕え、聚楽第、大坂城の障壁画などを手がけたその活躍ぶりにも関わらず、現存作品は10件に満たないとされる狩野永徳の真筆。国宝となっている5点に加えて、昨年京都で見つかった屏風絵も初公開される。去年から楽しみにしていた展覧会、いよいよスタート。(酒井)

版という距離
2007年10月5日(金)~10月28日(日)
京都芸術センター
関西の画廊をまわっていると、頻繁に版画作品と遭遇する。「版画」という分野がしっかりと存在する、と言える。そして、多様なとらえ方ができる「版」をテーマに議論される場などもたびたび催されてきた。この展覧会は『関西版画現代史』(美学出版)にあわせて開かれるもので、20~30代の若手が「いま」の関西の版画を概観できること間違いないだろう。(原)

牛田美希「A(エイス)」
2007年10月22日(月)~10月27日(土)
巷房・Space Kobo & Tomo・巷房階段下
マニュキュア、つけまつげといった女性の必需品を素材に制作している牛田美希。これまで、ホワイトチョコレートでつくったマシンガンや合成洗剤によるハイヒールを発表してきた。今回はトランプによる新作を展示し、ステレオタイプでない独自の女性観を表出させる。(斉藤)

世界の表象
オットー・ノイラートとその時代
2007年9月25日(火)~10月21日(日)
武蔵野美術大学美術資料図書館 1階展示室
「アイソタイプ」といわれる、地図・ピクト・図表などを用いた視覚システムを約80年前に構想したノイラート。「アイソタイプ」はル・コルビジエなどにも注目され、30年代には世界的な拡がりをもって認知されていたという。ところで地図や図面などの「命題は写像である」という『論考』の中心となるアイデアがウィトゲンシュタインの頭のなかで閃いたのは、第一次世界大戦に彼が従軍していたときである。つまりその哲学的な命題と言語以外の表象によって現実を写しとる(写像する)ノイラートのシステムは、ほぼ時を同じくして現れたと言えるのかもしれない。(沢山)

2007-10-12 at 11:38 午前 in 近日遊覧予定 | Permalink | コメント (1) | トラックバック (1)

中山雄一朗 トムはジェリーを殺せない

Img_4213 一見して、「彫刻的」であると思わせるその性質はどこに由来するのか。中山雄一朗の彫刻は、この印象によって、その「彫刻性」を揺るぎないものにしているようにみえる。いうなれば、「彫刻的」に造形することこそ、この作家の戦略なのだといえるのかもしれない。今日希有であると感じさせる粘土の量塊性、ボルトが穿たれた木材がもたらす構造と均衡、棕櫚縄がその両者をすみずみまでを統治するその力学的な緊張感、すべてが、その作品に、これは彫刻であるという刻印を刻み付けている。

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2007-10-04 at 06:31 午前 in 展覧会レポート | Permalink | コメント (0) | トラックバック (1)

ワールドリポート・ホーチミン市編

Hcmc_reportalice_lang_3 ベトナムから、motoko udaさんのレポートです。

去る7月28日、ベトナム・ホーチミン市(サイゴン)で一つ伝説的アートイベントが生まれた。生みの親はAsialinkのキューレーター・イン・レジデンスとしてアーティストイニシアティブa little blah blah(albb)に4ヶ月間滞在した越系オーストラリア人のThea Baumann(テア・バウマン)。

左) Alice Lang  "It Came from the River"


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2007-10-03 at 12:53 午前 in ワールド・レポート | Permalink | コメント (0) | トラックバック (0)

玉野大介展

Dscf47829月の後半だというのにまだ日差しも強く、蒸し暑い夕方に玉野大介の展示を見に行った。バスを降りて、目の前の黒いビルがギャラリーだと聞いたが、どうやら普通のマンションらしい。ここ最近、アパートや住居を改装したギャラリースペースは珍しくないが、インターホンを押すとオートロックを解除してもらうというシステムや、ドアを開けると思わず靴を脱ぎたくなるような玄関はギャラリーというより個人のお宅にお邪魔するような気分だった。

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2007-10-02 at 02:13 午後 in 展覧会レポート | Permalink | コメント (0) | トラックバック (0)