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紺泉 ある庭師 — 多分のひととき

Cimg9616_2 品川駅からゆるやかなカーブを描く坂道を歩いて原美術館まで辿り着くとたっぷり汗をかいていた。玄関前の大きな木の木陰まで来ると、風がすっと通って、瞬時に空気が変わったのに驚いた。建物に入るとすぐ横のショーケースに紺泉の作品があり、絵画だけでなく、庭師の使う植木鋏もあわせて展示されている。「紺泉 ある庭師 — 多分のひととき」とはなんとも思わせぶりな展覧会名である。

2007年8月10日(金) 〜 2007年8月31日(金)
原美術館
11:00〜17:00(月曜休館、水曜日20:00まで)

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2007-08-29 at 10:07 午前 in 展覧会レポート | Permalink | コメント (0) | トラックバック (0)

ジングウーア サウンド・ギャラリー

ベルリンから、かないみきさんの8月のレポートです。

“singuhr - hörgalerie” ジングウーア サウンド・ギャラリー

Singuhr_1 singuhrとは、ドイツ語の singen (歌う) と Uhr (時計・時) が組み合わされた造語だ。その昔、時を知らせる教会の鐘の音が、歌声のように聞こえたことが由来となっている。ミッテ地区にあるパロヒアル教会、通称ジン グウーア教会の中に、ジングウーア サウンド・ギャラリーがオープンしたのは1996年のこと。第二次大戦中に爆撃を受けたこの建物は、教会とギャラリー という二足のわらじを履いて、息を吹き返した。「美術」と「音楽」の境界を越えてゆくサウンド・アートは、いまだにアートとして、観客に定着していないよ うにも見られるが、このギャラリーはすでに、10年もの間「サウンド」と「パブリック」をテーマにプロジェクトを続け、その先駆者から若手や学生までを、 幅広く紹介している。これまで、鈴木昭男やカールステン・ニコライ、ミキ・ユイらも、そこで作品を発表してきた。

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2007-08-28 at 05:14 午後 in ワールド・レポート | Permalink | コメント (0) | トラックバック (0)

清水悟 「いろ の ない うみ」

Dscf4460 9月のはじめに取り壊しが決まっているアパートの一室で清水悟の展示が開催中だ。作家がもともとアトリエとして使用していた制作スペースを利用しての展示のため、炊事場やトイレやシャワーも、インスタレーションの一部として存在している。生活を垣間見ているような覗きの感覚も多少あるのだが、家具も殆ど取り払われ、壁紙も剥がされた部屋に佇むと、寂しくてセンチメンタルな気分になった。

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2007-08-28 at 02:13 午前 in 展覧会レポート | Permalink | コメント (0) | トラックバック (0)

ライターの近日遊覧予定【8/25~】

美術館の夏休み パラモデル展 
2007年8月1日(水)~9月2日(日)
高知県立美術館
林泰彦と中野裕介のアート・ユニット〈パラモデル〉は、これまでも関西を中心に愛知、青森などでも、鉄道玩具のプラレールを用いて作品展示やワークショップを行なってきた。インスタレーションには映像、絵画などさまざまな手法をとりいれリアルワールドとファンタジーが混在する独自の世界をつくり出す。9月には北京での日本現代美術展「美麗新世界」への出品も決まっている彼ら。今回はパラモデルにとって、はじめての美術館での個展でもあるので、どんな展開になっているのか観る側も期待に胸が膨らむ。(原)

居城純子展 「もうわかっていたことなのに、言葉になるのはずっとあと」
9月1日(土)~9月30日(日)
PANTALOON
今年、大阪府立現代美術センターで個展を開催した居城純子。大画面のキャンバスから剥いだ部分を、ミニチュアで床にインスタレーションするという試みが面白かった。今回はどんな風景を見せてくれるのか気になります。(酒井)

ヴェネツィア絵画のきらめき
栄光のルネサンスから華麗なる18世紀へ
2007年9月2日(日)─10月25日(木)
Bunkamura ザ・ミュージアム
会期中無休
絵画史のなかでヴェネチア派と言うとき、たしかに一方でフィレンツェ派という呼称も存在するが、天才の孤立は甚だしく、一つの呼称としてのそれは到底まとまりそうもない。そうするとヴェネチア派、という響きには何か全く別のものが存在するのだろう。(沢山)

「都市との対話」展 
2007年9月1日(土)- 17日(月・祝) 
BankART Studio NYK /ギャラリーB
会期中無休
若手キュレーターによる若手作家の展覧会ということで期待が高まる。パラモデルやカトウチカなど注目の作家の作品もさることながら、たくさんのトークイベントも見所の一つといえそう。また横浜での展示のあと、神戸アートビレッジセンターにも巡回される。美術は都市のシステムを変える潜在能力があると信じたいけれど、さて、この展覧会でどのような問題提起があるのか「都市」と美術について考えるきっかけにしたい。(水田)

2007-08-25 at 01:56 午後 in 近日遊覧予定 | Permalink | コメント (0) | トラックバック (0)

今井俊介 empty eyes

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個展タイトルとしても現れている「空虚な器としての眼」という主題は、今井の制作に一貫したものである。

それは我々の視覚というものが徹底して受動的な存在であり、それゆえにあらゆる情報をたやすく受け入れてしまう散漫で不確かな存在であるという自覚に基づいている。いいかえれば、視線の散漫な揺らぎにあっては絵画を規定する物理的な制約などは簡単に超えられてしまうのだ。たとえば、そうしたうつろう視線に楔を打ち込むために額縁は必要とされたのである。額縁は絵画に一定の秩序を与えるためというよりはむしろ、視覚こそが画面をこえてしまうという視覚の暴力性にたいする畏怖としてある。

slider 92 x 120 cm acrylic on canvas 2007

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2007-08-15 at 09:04 午前 in 展覧会レポート | Permalink | コメント (0) | トラックバック (0)

Manufactured Landscapes(人造の風景)

NYから、塩崎浩子さんの8月のレポートです。

252_02_1  ニューヨークで6月に開催された、人権をテーマにした国際映画祭「Human Rights Watch International Film Festival」の出品作品に、カナダの写真家エドワード・バーティンスキー(Edward Burtynsky)の中国での制作風景を追ったドキュメンタリー「Manufactured Landscapes(人造の風景)」があった。バーティンスキーは、産業社会によって変容させられた世界各地の風景を大型のフォーマットで撮り続けている写真家。2006年にはブルックリン美術館で同タイトルの個展が開催された。

Edward Burtynsky《Manufacturing #18》 Cankun Factory, Zhangzhou, Fujian Province, China Photo courtesy of Zeitgeist Films

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2007-08-11 at 10:27 午前 in ワールド・レポート | Permalink | コメント (0) | トラックバック (0)

ライターの近日遊覧予定【8/11〜】

エルネスト・ネト展 
2007年 7月15日(日)〜10月8日(月)
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
近隣まで立ち寄るため時間が許せば観たい。これまでも丸亀市のこの美術館は独自の現代美術の企画を行うが、本企画もネトの日本初個展となる。母体回帰的な感は否めないが、その仕事はテクノロジーや政治性によって裏付けられた「国際的」美術からの積極的な撤退であり、かつ「退行」することが作品足り得ることを示している。(沢山)

中西信洋×コムデギャルソン パリコレクションビデオイベント
7月11日(水)〜8月25日(土)
コムデギャルソン京都店
京都市中京区御幸町通御池上ル亀屋町378
11:00〜20:00 tel:075-223-0370
最寄り駅/地下鉄東西線「市役所駅前」駅
中西がここ数年取り組んでいるフィルムの積層や立体による「LayerDrawing」シリーズをベースにした初の動画作品。9分割画面と大画面にコムデギャルソンパリコレクションのシーンが現れる作品は3Dメガネで体験する立体視映像になっている。個人的に普段ふらりとは入れないお店。(笑)今週見に行きます!(酒井)

石田徹也—悲しみのキャンバス展
2007年7月24日(火)〜8月19日(日)
静岡県立美術館県民ギャラリー
31歳で他界し、NHKの新日曜美術館で紹介されて一躍著名になった作家。現代人の孤独や不安感をリアルに描いた絵画はインパクト充分。豊かなイメージの数々に触れたい。未発表作品を含む150点が出品されている。(斉藤)

2007-08-11 at 01:05 午前 in 近日遊覧予定 | Permalink | コメント (0) | トラックバック (0)

横内賢太郎 新作展

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天性のカラリストであり、職人的な技巧派であるということではアンディ・ウォーホルを想起させないではない。またステイニングという技法を考慮に入れるな らなおさらアメリカ的な資質がそこで語られるべきなのかもしれないが、としても彼をアメリカ的な文脈によって語ることはおそらく正しくない。

「Book - LEMP 781」
2007
綿サテンに染料、メディウム
61 x 50.7 cm


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2007-08-03 at 11:13 午前 in 展覧会レポート | Permalink | コメント (0) | トラックバック (0)