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今村源展

「内をみる」


art197_03_1会場風景


■今村源の作品にはずっとひとつのスタイルがある。そして、40代半ばを過ぎたこの作家の展覧会にはいつも新鮮な空気が漂っている。変らないのに、そのことがマンネリズムにつながらない。さわやかな緊張感が今回の個展にもいつもと同じようにあった。

■展示スペースの広さでいえば、巷の画廊の4倍も5倍もある空間を用いた大規模な展覧会だ。周囲の6面がすべて白いホワイトキューブの展示室と、内とも外ともつかないようなLOFTと呼ばれている展示室。好対象のこの2つの展示室と、今回はLOFTの一画にある民家のような部屋に靴を脱いで上がる。家に招き入れられたようにコタツのあるこちらの空間もすべて作品だ。

■イス、机、冷蔵庫、缶などの既製の日用品が用いられるが、そこに今村が手を加えることで、まったく新たなものに生まれ変わる。機能といったものとは縁遠いそれそれのオブジェに、じっと吸い寄せられるように視線が奪われる。ちょっとした隙間からほのかに光りを放っているオレンジ色、頼りなげに存在する薄いグレー、これらは彼の作品にしばしば見かける色である。

■私がとやかく語るよりも、今村自身の言葉を借りるのがもっともわかりやすい。“「外」、我々の意識に捕らえ得ない事をこうよんでみた。「胞胚」が突然内部に向かって窪み始める時、あたかも、その「外」を内部に取り込むようにして沈み込んで行くように見えてくる。今も我々の内側にはその「外」が包み隠れているはずだ”(RIPPLE 007,発行プラントグラフィックス)

■一見何の関連もないかのようなオブジェたちがそれぞれ響き合いながら、外にしか触れていない私たちに「内」をみせてくれる。

《information》
今村源の作品は、下記でも御覧いただけます。
「life/art ‘03」
(2004年1月9日〜2月22日、資生堂ギャラリー/東京)
「六本木クロッシング」展
(2004年2月7日〜4月11日、森美術館/東京)

今村源展「外」の場所
2003年12月20日(土)〜2004年1月31日(土)
ノマルエディション/プロジェクト・スペース
大阪市城東区永田3-5-22
(地下鉄中央線「深江橋駅」1番出口より5分)
11:00〜19:00(土曜13:00〜19:00)
日曜・祝日休
TEL 06-6967-1354


art197_03_2会場風景


art197_03_3「カンビール」


art197_03_4タイトルなし


art197_03_5「アワ・キノコ」


art197_03_6「ポリペール」


art197_03_7「カキとカニ」(部分)


art197_03_8「コタツ・コマ」


art197_03_9「コタツ・コマ」


2004-01-09 at 05:12 午後 in 展覧会レポート | Permalink

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