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横山智子展—first memory—
「キレイなだけじゃない」
コラージュされた版画「first memory」DMにも写真が掲載されている力作。
■先日、幸運にも搬入の場に居合わせた展覧会を紹介しようと思う。それまで完成された会場しか見たことがなかった私にとって、展示のプロセスはとても興味深いものだった。今まで気づかなかったが、作品の順序、飾る高さ、作品間の距離によって、驚くほど空間が変化することを実感したのだ。
■その展覧会とは横山智子さんの版画展。花や昆虫の羽をモチーフに、繊細で魅惑的な作品を作っている前から気になっていた作家である。女性がいかにも女性っぽいモチーフを描く背景には何かある、単にキレイなだけじゃないはず、と探りを入れたくなった。
■会場には「自律神経」、「原風景」を意味する英語表記のシリーズが展開されている。「モチーフは植物や昆虫だけれど、ずっと人体をテーマに描いてきたんです」と作家。花びらや羽の組織が人間の細胞に似ている気がして、とも。花も虫も共に短い生命だが、画面のそれらは部分的なパーツにもかかわらず生命力がみなぎっていた。差し迫った命ゆえの燃焼なのか…。
■今回、版画をコラージュした作品が目新しかった。シートに刷った花や虫を形で切り抜き、画面の上で構成してひとつの作品にしたものである。もともとエスキースとして用いていた技法を今回は作品化したそうだが、コラージュしてからも加筆し画面に深みを出している。紙の重なりによって浮き出た立体感が視覚を楽しませてくれる。
■作品が映えるベターな空間が完成した背景には、こっちの方がいいかしら、やっぱり左と右を入れ替えてみよう、といった作家と画廊スタッフの方々の試行錯誤がある。会場を知り尽くしている画廊の方のセンスの良さに感心したのと同時に、いたるところで開催されている展覧会も、同じようなプロセスを踏んでいるのだなあと舞台裏の存在に気づかされた。
横山智子展—first memory—
2001年8月30日(木)〜9月8日(土)
みゆき画廊
東京都中央区銀座6-4-4銀座第二東芝ビル2F
(地下鉄「銀座」駅 徒歩3分)
11:00〜19:00 日曜休(最終日は〜17:30)
無料
TEL:03-3571-1771
words:斎藤博美
会場風景
「vegetable nervous system 2-5」左右の関係が面白い作品
「first memory 2」バックの部分も切り貼りして構成されている
左「ethereal 1」右「ethereal 2」同展ではカラーの違う2作品。青と紫の 2版で刷られている。
奥の事務所にもさりげなく作品が飾られている。左「vegetable nervous system 2-1」右「first memory 12」
2001-08-30 at 07:57 午後 in 展覧会レポート | Permalink
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