« 横山智子展—first memory— | メイン | space-jack ! »

高嶺格展

「究極の粘土遊び」


139_04_1第一室:会場風景、このインスタレーションは壁の絵も床のオブジェも油粘土で作っている。床の円い輪をなした赤や薄い緑の部分だけはスライム。


■子ども頃に油粘土で遊ぶのは日本だけだろうか? 油粘土は、簡単に、そして自在にカタチをつくることの出来る遊び道具として幼稚園や家庭で愛用されてきた。いまどきの幼児に人気があるかどうかは別として、やはり油粘土は不朽の遊び道具だと思う。そんな素材を使ってインスタレーション作品を発表しているのが高嶺格だ。

■キリンとも馬ともつかない緑色の寓意の動物が嘶き、その影が壁にくっきり描かれている。足元は水の中に立ちあがったときのように、波紋が出来ている。波紋の輪は、粘土の緑色とは補色の赤やオレンジに彩色したスライムで作られていて、油粘土とは異なり、つるりとした表面の輝きがある。壁には粘土を押し付け、接着しつつ描いているために、現われる質感は他では見ることのないものだ。

■現代文明の象徴とも思えるクルマ。壁に描かれたクルマの先には尾根が続き、対応する壁には母親のお腹にいるように丸くなっている幼児(胎児?)が円をなして回転している。床に壁に、天井の隅に、どんどんはみ出しながら、作り出された世界は、つじつまの合わない夢のように、様々な場面が同時に描かれている。

■超アナログ3D絵画とでも言おうか、究極の粘土遊びとでも言おうか。とにかく、現実にはありえない世界が画廊のなかに立ち現われている。頭に浮かんだことを、次々と指先でカタチを捻り出し空間をつくり上げたのだろうか。そこにはファンタジーもあれば、現実社会に対する憂いも表現されている。途切れることなく、相互に問題はつながりをもって派生してゆく。このインスタレーションの中に身を置くと、地球は丸くすべてがくるくるとまわっていることを実感する。

■第2室には、3面の液晶モニターを用いたビデオ・インスタレーション作品がある。独白するように立て続けに語り続ける女性の声は、中東の国で今も続く対立と闘いなどについて、彼女自身の立場から発言している。それぞれの立場からしか、人間は話すことができない。繰り返し繰り返しビデオは流れている。粘土の作品とは、対照的なつくりの作品だが、この二つ作品が全く別な次元のものとも思えない。

高嶺格展 
Do you want if you want as you want
2001年8月30日(木)〜9月29日(土)
Kodama Gallery
大阪市中央区備後町4-2-10
(地下鉄本町駅2番出口から徒歩5分)
11:00~19:00  日・月休廊
TEL.06-4707-8872


words:原久子

139_04_2会場風景

139_04_3馬ともキリンともつかない幻のような動物とその影。左手は映像が投影 されている。

139_04_4耳を片手でふさいている。頭上には戦闘機(?!)。

139_04_5山脈の尾根の片端の壁にはクルマ、もう片方の壁には人が。

139_04_6第2室:映像インスタレーション

2001-08-30 at 08:05 午後 in 展覧会レポート | Permalink

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://www.typepad.com/services/trackback/6a0120a853c3af970b0120a853c696970b

Listed below are links to weblogs that reference 高嶺格展:

コメント

コメントを投稿